iDeCo 1,000万円到達!運用益400万を達成した「慎重派」の戦略

iDeCoの管理画面に映し出された「10,030,602」という数字を見て、私が最初に感じたのは、達成感よりも「深い安堵感」でした。

私の運用履歴を遡ると、その起点は2011年6月の企業型DC加入にまで辿り着きます。
当時、会社が退職金制度の一部をDCへと移行し、給与とは別に毎月拠出が始まりました。
会社員としてコツコツと積み上げてきた月日が、今の大きな土台となっています。


大きな転機は、23年勤めた会社を退職し、2022年7月にiDeCoへの加入・移管した時でした。
移管された資産は、約540万円。その内、約70万円は会社員時代にコツコツと積み上げた運用益でした。
会社員として働いて積み上げた重みのあるお金であり、私の老後の貴重な原資でもあります。

その大切な資金を、荒波のような相場に投じるのは、正直に言って恐怖でしかありませんでした。
この1,000万円という数字は、投資の才能があったからでも、リスクを恐れない強さがあったからでもありません。
むしろ、自分の「慎重さ」を認め、徹底的に守りに徹した結果、気づけば辿り着いていた場所なのです。

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怖くて動けなかったあの日、選んだ「95%定期預金」

企業型DCから移管された資産は、約540万円。
しかし当時(2022年)の市場は下落トレンドで、暴落の予感に満ちていました。

「今ここで全額を投資して、もし明日半分になるような大暴落が来たら……。もちろん現実にはあり得ないことですが、当時の私にはそれほどの恐怖に感じられたのです」

そう考えると、一歩も動けなくなりました。
よく言われる「一括投資が合理的」という正論は、当時の私には重すぎたのです。
そこで私が取ったのは、合理的ではないかもしれないけれど、**「夜ぐっすり眠れるための選択」**でした。

資産の95%を定期預金に配分し、残り5%だけで運用を始める――。「臆病すぎる」と思われるかもしれませんが、この極めて防衛的なスタートこそが、私を市場から脱落させないための唯一の手段でした。

「安全な場所」に資金を確保し、全体のバランスを見ながら、少しずつ、リスク資産へと資金を移していく。
この「段階的スイッチング」こそが、私の生存戦略の核となったのです。

緻密な戦略と「初動」の勢い

移管後の拠出も、全体のキャッシュフローを考慮しながら進めました。
iDeCoに移管してから2026年4月までの累計拠出額の合計は 625,000円

  • 初期(9ヶ月間): 月50,000円を拠出
    退職直後のこの時期に拠出額を増やしたのは、資産形成の「初動」を重視したからです。
    早めに市場へ種をまくことで、複利の恩恵を最大化させることを優先しました。
  • 中期以降(35ヶ月間): 月5,000円を拠出
    その後、拠出額を最低限に絞ったのは、特定口座やNISA口座との兼ね合いを優先した結果です。
    iDeCoは60歳まで引き出せないため、手元の流動性を確保しつつも、「iDeCoの加入期間」を1ヶ月でも長く稼ぐためです。

拠出を継続することで、将来の受取時に適用される「退職所得控除」の額を確実に増やしていく
5,000円という拠出額は、税制上のメリット(控除枠の拡大)を維持しながら、現在の生活資金とのバランスを最適化した、私なりの知略の結果でした。

視界を広げる:iDeCo単体ではなく「資産全体」で考える

私がパニックにならずに済んだもう一つの理由は、**「iDeCoを単体の財布として見なかったこと」**です。

  • iDeCo: 出口が遠いから、リスクを取ってNASDAQ100や日経平均といった攻めの銘柄に。
  • 他の資産: NISAや特定口座での攻めと共に、債券や現預金でしっかりと守りを固める。

実はiDeCoでの運用開始からしばらくは、含み損となりました。
しかし、「iDeCoの画面で多少マイナスが出ても、資産全体で見れば誤差の範囲内だ」と思える仕組みを作ったことで、冷静さを保つことができました。

利益率106%超えのNASDAQ100と「慎重派」の勝利

今回の1,000万円突破を支えたのは、爆発的な利益を上げた銘柄たちと、それを見守り続けた「慎重さ」でした。

利益が400万円を超えたということは、資産の約4割が「運用で増えた分」であることを意味します。

一度に移さず、少しずつリスク資産へ移す「段階的スイッチング」という慎重さが、結果的に下落局面でも心の余裕を生み、安値圏で着実にポジションを積み上げることに繋がり、全体の損益率66.66%という数字に結実したのです。

数字の先にある、穏やかな日常

今日、管理画面に並んだ「10,030,602」という数字。
それは23年間の会社員人生、そして退職後の試行錯誤がすべて報われた「合格通知」のように感じます。

特別な才能も、鋼のメンタルも必要ありません。
自分の性格に正直に、資産全体を俯瞰しながら、自分だけのペースで舵を取っていくこと。
投資に正解はありませんが、石橋を叩いて渡るような歩みの先には、きっと素晴らしい景色が待っています。

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