SpaceXが上場したらオルカンに入る?構成銘柄の決まり方をやさしく解説

「もしSpaceX(スペースX)が上場したら、オルカンにも組み入れられるのだろうか?」

最近、SpaceXのIPO(新規株式公開)に関する話題が増えたことで、このような疑問を持つ投資家も多いのではないでしょうか。

結論から言うと、SpaceXが上場しただけではオルカンには入りません。しかし、一定の条件を満たせば、将来的にオルカンへ組み入れられる可能性は極めて高いです。

この記事では、オルカン(全世界株式)の構成銘柄がどのように決まるのか、その厳格なルールを初心者の方にもわかりやすく解説します。

目次

オルカンの銘柄は誰が選んでいるの?

オルカン(eMAXIS Slim 全世界株式)が連動している指数は、「MSCI オール・カントリー・ワールド・インデックス(MSCI ACWI)」です。

この指数は、世界中の上場企業を対象に、米国のMSCI社という指数会社が定めたルールに基づいて機械的に作られています。

つまり、誰かが「この会社は将来有望だから入れよう」と主観で判断しているわけではありません。あらかじめ決められた明確なルールに従って、システム的に銘柄が選ばれているのです。

オルカンに採用されるための「4つの条件(フィルター)」

オルカンに採用される企業は、大きく分けて以下の4つの厳しい条件をクリアする必要があります。

① 企業規模が十分に大きいこと(時価総額)

最も重要なのが企業の規模です。MSCIは各国の企業を時価総額(企業の価値)順に並べ、市場全体の時価総額の約85%を占める大型株・中型株を採用しています。

ここで注意したいのは、「時価総額の上位85%の企業(社数)」ではなく、「市場全体の時価総額の“ボリューム”の約85%を占める企業群」ということです。そのため、小型株や上場したばかりの小さな企業は、原則として採用されません。

② 市場で十分に株が流通していること(浮動株比率)

企業規模がどれだけ大きくても、市場で自由に売買できる株が少なすぎる企業は採用されにくくなります。

例えば、創業者や政府、大株主が株式の大半をガチガチに保有していて、市場に出回る株がごくわずかしかないケースです。オルカンのような巨大ファンドが実際に市場で買い集められるだけの「浮動株(市場に流通する株)」が必要になります。

③ 売買が活発であること(流動性)

毎日しっかり取引されていることも重要です。 売買がほとんど行われない不人気な銘柄は、オルカンのような大きな資金が動くだけで株価が乱高下してしまいます。そのため、「一定以上の取引量が日常的にあること」が条件になります。

④ 投資しやすい市場であること(市場アクセス)

企業そのものだけでなく、その企業が上場している「国や市場の環境」も評価されます。 外国人投資家が自由に売買できるか、市場が正常に機能しているかなどが重要です。

⚠️ 過去の除外例 2022年、ロシア株は外国人投資家の取引が困難になった(市場アクセスが著しく悪化した)ことで、MSCI指数から一斉に除外されました。

実は「業績の良さ」は採用条件ではない

ここは意外に感じる方も多いかもしれません。実はMSCIは、以下のような企業自体の業績そのものを直接の採用条件にはしていません。

  • 売上がどれくらい伸びているか
  • 利益がどれほど増えているか
  • 配当金をたくさん出しているか

もちろん、業績が良ければ結果的に株価が上がり、時価総額が大きくなって採用されることはあります。しかし、採用の判断基準はどこまでも「規模」や「流動性」といった客観的な数字です。

つまり、「優良企業だから採用される」のではなく、「市場の中で無視できないほど大きな存在だから採用される」という考え方なのです。

SpaceXは条件をクリアできそう?

もし将来、SpaceXが上場した場合、現在推定されている企業価値(数千億ドル規模)を考えると、①の「企業規模」の条件は余裕でクリアする可能性が高いでしょう。また、米国市場への上場であれば、④の「市場アクセス」も問題ありません。

注目ポイントになるのは、以下の2点です。

  • イーロン・マスク氏らが、どれくらいの割合の株式を市場に流通させるか(浮動株)
  • 上場後に、世界中の投資家間で十分な売買が行われるか(流動性)

これらを満たせば、オルカンへ採用される条件は十分に揃います。

上場したら「すぐ」にオルカンへ入るの?

答えは「必ずしもそうではないが、電撃参入の可能性もある」です。

MSCI ACWIは通常、年4回(2月・5月・8月・11月)に定期見直しを行っています。そのため、基本的には上場後の次の見直しタイミングで採用されるかどうかが判断されます。

超大型IPOには「特別ルール」がある

ただし、MSCIには「Fast Track Inclusion(早期組み入れ制度)」という仕組みがあります。

これは、市場への影響力が凄まじく大きい「超大型IPO」があった場合、年4回の定期見直しを待たずに、上場からわずか数営業日で指数へ組み入れるという特別ルールです。

もしSpaceXの株式公開が歴史的な超大型IPOとなり、すべての条件を満たした場合は、この制度によって上場後すぐにオルカンに電撃参入する可能性もあります。

まとめ:オルカンの魅力は「未来の勝者探し」をしなくていいこと

オルカンは、私たちが必死になって「将来の勝ち組企業」を予想するための商品ではありません。

世界中の投資家がリアルタイムで評価した結果として、「いま市場で最も力を持っている企業群」を、自動的に最適なバランスで保有し続ける仕組みです。

そして定期的な見直しによって、SpaceXのような新たな時代の主役が登場すれば、私たちの知らないところで自然に取り込まれていきます。

「世界の勝ち組を予想するのではなく、勝者が決まったあとに、その果実を自動で受け取る」

もし将来SpaceXが上場し、採用条件を満たせば、私たちは個別株のリスクを負わなくても、オルカンを通じてその成長の恩恵をガッツリ受け取ることができるようになります。これこそが、オルカンが長期投資家から不動の支持を集める最大の理由なのです。

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