ナスダック100×SCHDは最強コンビ?セクター比率とリターンを徹底分析

「ナスダック100」と「SCHD」という2つの人気の投資信託を組み合わせることで、セクター比率やリターンにどのような変化が生まれるのでしょうか?

ナスダック100は主に成長性の高いハイテク企業に特化し、一方のSCHDは配当利回りと安定した収益を重視する銘柄で構成されています。

この2つを同額ずつ保有すると、リスクとリターンのバランスを意識しながら、幅広いセクターへの分散投資を目指すことができます。

この記事では、それぞれの特徴を詳しく解説し、組み合わせた場合のセクター比率や過去10年のバックテスト結果を徹底分析します。

成長性と安定性を両立させたい人にとって、最強のポートフォリオになるかもしれません。

目次

ナスダック100とSCHDを同額投資のセクター比率

ナスダック100、SCHD、そして両者を同額投資した場合のセクター比率を順に詳しく見ていきましょう。

ナスダック100

ナスダック100は、情報技術と成長株への集中度が非常に高く、イノベーション主導型の指数と言えます。

一方で、金融やエネルギーなどの伝統的セクターの比率が低いため、景気循環やセクター分散の観点では注意が必要です。

ナスダック100のセクター比率

情報技術	50.3
コミュニケーションサービス	15.8
一般消費財サービス	13.3
生活必需品	6.1
ヘルスケア	6.1
資本財・サービス	4.4
素材	 1.5
公益事業	 1.4
金融	0.5
エネルギー	0.4
不動産	0.2
2024年9月時点 セクター名は世界産業分類基準(GICS)によるものです

SCHD

SCHDは、生活必需品やヘルスケアといったディフェンシブセクターに加え、金融や資本財など、安定した配当を提供するセクターが多く含まれています。

また、情報技術や一般消費財も適度に含まれ、景気拡大時の成長性も一定程度期待できます。

SCHDのセクター比率
金融	20.1
ヘルスケア	14.7
生活必需品	13.2
資本財・サービス	13.2
エネルギー	12.6
一般消費財サービス	9.7
情報技術	8.7
コミュニケーションサービス	4.7
素材	2.9
公益事業	0
2024年11月末時点 セクター名は世界産業分類基準(GICS)によるものです

ナスダック100とSCHDの同額投資

ナスダック100とSCHDを同額投資した場合のセクター比率は、ある指数のセクター比率に似ているように見受けられます。

ナスダック100とSCHDの同額投資した場合のセクター比率
情報技術	29.5
一般消費財サービス	11.5
ヘルスケア	10.4
金融	10.3
コミュニケーションサービス	10.25
生活必需品	9.65
資本財・サービス	8.8
エネルギー	6.5
素材	2.2
公益事業	0.7
不動産	0.1
セクター名は世界産業分類基準(GICS)によるものです

それは、S&P500です。
S&P500のセクター比率のグラフは以下になります。

S&P500のセクター比率	
情報技術	31.3
金融	13.9
一般消費財サービス	10.7
ヘルスケア	10.6
コミュニケーションサービス	8.9
資本財・サービス	8.6
生活必需品	5.7
エネルギー	3.4
公益事業	2.5
不動産	2.2
素材	2.1
2024年11月29日時点 セクター名は世界産業分類基準(GICS)によるものです

似ていませんか?

情報技術、金融、一般消費財サービス、ヘルスケア、コミュニケーションサービス、資本財・サービスといったセクターが、ほぼS&P500のセクター比率に近い割合となりました。

ナスダック100とSCHDで重複する銘柄は?

ナスダック100とSCHDを組み合わせて投資する際、分散効果を高める観点から、重複する銘柄は少ない方が望ましいと考えられます。

調査した結果、重複している銘柄は以下の6社のみであることがわかりました。

  • アマゾン・ドット・コム
  • シスコ・システムズ
  • ファステナル
  • ペイチェックス
  • ペプシコ
  • テキサス・インスツルメンツ

バックテストによるリターン比較

ナスダック100とSCHDを同額投資した場合、S&P500とセクター比率は似ているものの、リターンはどちらが優れているのでしょうか?

バックテストを行い、比較してみました。

※このバックテスト結果はPortfolio Visualizerを使用して作成しました。
 この分析は過去のデータに基づいており、将来のパフォーマンスを保証するものではありません。

ナスダック100とSCHD 同額投資のリターン

2015年1月から2024年11月までの期間(約10年)でバックテストを行ったチャートです。

前提条件
  • 積立金額 毎月約5万円 (333ドル 1ドル=150円で換算)
    ナスダック100とSCHD同額投資の場合は、2.5万円ずつ投資
  • 分配金は再投資

ナスダック100とSCHDを同額投資した場合のリターンは、セクター比率が似ているS&P500を上回る結果となりました。

特に、ナスダック100の成長性とSCHDの安定した配当収益が組み合わさったことで、長期的な資産形成において優れたパフォーマンスを発揮しました。

また、セクター比率の分散が効いているため、特定の市場環境に過度に依存しないバランスの取れた投資戦略が可能です。


次に、年率リターンを見てみましょう。

ナスダック100とSCHDを同額投資した場合の年率リターンは、S&P500を10年間で6回上回る結果となりました。


Best Year(最良年)、Worst Year(最悪年)、そしてSharpe Ratio(シャープレシオ)の観点から、パフォーマンスを詳しく見ていきましょう。

スクロールできます
ナスダック100+SCHD同額投資SCHDナスダック100S&P500
Best Year33.79%29.87%54.85%31.22%
Worst Year-21.38%-5.56%-32.58%-18.17%
Sharpe Ratio0.890.720.910.79

Best Yearは、S&P500を上回りましたが、Worst YearはS&P500を下回る結果となりました。

シャープレシオ(Sharpe Ratio)は、ナスダック100にほぼ近い値となりました。
シャープレシオが高いほど、リスクに対して効率的にリターンを得ていることを意味します。

S&P500+SCHDの二刀流で投資していますが、
ナスダック100+SCHDの組み合わせも非常に魅力的ですね。

成長性と安定性の両方を重視する人にとって魅力的な選択肢となりそうです。

ナスダック100:SCHD = 7:3 のリターン

若年層やリスク許容度の高い方向けにナスダック100:SCHD = 7:3にした場合のバックテストを行いました。
その他の条件は、同額投資と同じです。

S&P500を遥かに上回る結果となりました。


次に、年率リターンを見てみましょう。

ナスダックの比率が高いため、2022年はS&P500を下回るマイナスリターンとなりました。

2016年と2021年はS&P500を下回ったものの、それ以外の年はS&P500を上回りました。

ナスダック100:SCHD = 3:7 のリターン

中高年層やリスク許容度を抑えたい方向けに、ナスダック100:SCHD=3:7の割合で投資した場合のバックテストを行いました。
その他の条件は、同額投資と同じです。

この割合では、安定性を重視したSCHDの比率が高いため、リスクを抑えつつ安定した配当収入を得ることができるポートフォリオとなります。

SCHDの割合をナスダック100より増やしても、S&P500を上回る結果となりました。


次に、年率リターンを見てみましょう。

2023年と2024年は株価が堅調に推移したため、平均リターンの高いS&P500の方が上回りました。

しかし、それ以外の年では、S&P500と同等またはそれを上回るパフォーマンスをとなりました。

まとめ

ナスダック100とSCHDを組み合わせたポートフォリオは、成長性と安定性を兼ね備えた理想に近い投資戦略と言えそうです。

ナスダック100はテクノロジー株が中心で、リスクを取って高リターンを狙う人に適しています。

一方、SCHDはディフェンシブセクターが多く、安定した配当を重視する人に最適です。

両者を組み合わせることで、セクター分散が実現し、リスクとリターンのバランスが取れたポートフォリオが構築できます。

リスク許容度に応じて、ナスダック100とSCHDの比率を調整するのもよいでしょう。

過去のバックテストでも、この組み合わせはS&P500を上回る結果を出しており、長期的に安定した成長が期待できる投資法の一つと言えるでしょう。

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